FAプログラムの行く末は

 センサー20点計測をPLCで取り込み、管理システムPCにレシピを転送、PLCとの通信でデータを集計してPCでグラフを表示、その集計値に対して速度の補正をPCで演算してPLCで出力というシステム構成で、中心となるPCの不調(フリーズ)が報告されて対応することになった。 

目次 

1.PCとPLCの違いについて 

2.FAプログラムの行く末は 

3.終わりに 

4.追記 


 1. PCとPLCの違いについて 

1)メリット PC制御というと、VisualBasic6とか.net系が多かったかと思います。複雑な制御とデータベースやグラフィックソフトとの連携でなんでもできます。SCADAソフトやDCSも使えます。今時であれば、AIやAWSを利用することで、なんでもできるスーパーシステムですね。 PLCはハード回路の延長で、ラダーソフトとして成長してきたので、FAでの導入しやすさ、扱いハードルの低さ、長期安定性が特徴としてあります。   

2)デメリット PCの場合、OSに依存する部分があり、開発導入した翌年にOS更新なんては目にあうことも・・ハードディスクの故障リスク、OS由来のわけわからないフリーズ等もあります。 PLCでは、複雑な制御やグラフィック、データ容量の少なさ。また、FAメーカーそれぞれ独自の専用ソフトで共通でない等があります。   

3)現在の状況は デメリットについては、PCの性能向上、PLCの機能向上により双方とも徐々に解決してきています。 PLC制御では、表現力は、タッチパネルの性能向上。(Windows OSがインストールされている機種もありますね)。CPUの容量でもマルチCPUとかSDカードも使用できるようになり、必要があれば、FTPサーバーへデータ転送も可能。PID制御もプロセスCPUで処理可能なので、SCADA程度のことも可能。コンテック製では、マルチCPUでWindowsが使えますよ。 


 2.FAプログラムの行く末は PLCOPENというところでは、このPC、PLCの共通化をかなり前から進めてきていました。

参考 Url:http://www.plcopen-japan.jp/ 

IEC61131 PLCの国際標準プログラミング JISでも定義されています。 ・・

基準でプログラム作成をするって、マイナーメーカー(失礼)のほうが、推進しています。が、三菱でもキーエンスでもIEC61131に近づくように頑張っていますね。 

参考 Url:https://www.fa.omron.co.jp/product/special/sysmac/plcopen/ 

オムロンさんのほうが詳しい説明していました。 PLC、PCの共通化が進んでいくのでしょうか? 



★個人的な見解ですが・・・ 

1) FA装置では、PLC制御のほうが長期安定性に有利となる。 

2) リアルタイム性があるので、その場で運転しながらデバッグできる。 

3) 素人でも簡単なプログラムができる。 

  なので、なんちゃってプログラマーがまかり通る? 

  なので、しったかぶり仕様でメーカーに仕様書をだす? 

ということでPLCを使うほうに軍配を上げます。 

参考資料 プロセスCPUでのプログラム設計画面です。言語系のビューワーに近いかもです。 既存のシステム更新では、ほぼPLCのシステム移行可能です。新規で機械学習とか入れる場合は、別ですが・・ どうしても必要な場合、基幹システムはPLCで、AI等をPCで利用する、またはエッジコンピューティングを利用する。 

 3.終わりに PC、PLC設計では、ボタンを配置するだけで、定義等勝手にやってくれるようになってきています。 簡単ですが、基礎がないとつまづいたときに、対応できないですね。 今回のPCはDELLのサーバーPCでした。予備機があったので、設定を合わせて移行することができました。こんな簡単な移行でも、PCのことがわからない電気屋さんでは対応できないです。 ちなみに、動作フリーズの原因は、トリガ信号用センサのチャタリングでした。残念! 


4.追記 私の実力不足なのか、言語系開発の設計者からは、ラダープログラムをよく否定されることが多かったです。仕様書もろくに書かず、コメントも記載不足、それでもPLC設計はまかり通ると・・。 今は、極力コメント記載、設計構想の資料も残すようにしています。 実は、それがないと困るのは自分自身ですから・・ 

FA電気設計屋の備忘録

FA設計では、主としてPLC(シーケンサ)を使用してプログラムします。ラダーソフトは、簡便でちょっと理解できれば使えますが、昨今のIOT時代を迎えて、高速、高度化がすすみ、今までPC等の言語系プログラムしかできなかったことさえも可能となっています。そうなると今まで通りの考え方では、プログラム設計はバグとの闘いになります。その闘いの記録とFA設計で必要な備忘録をアップします。

0コメント

  • 1000 / 1000